【文章摘要】 1884年,隅田川流域の神田地区で神田下水の第一期工事が着手され,東京の近代下水道の幕が開かれた。レンガ積みの卵形管(写真-1)で建設された神田下水は130年余りを経過した現在も現役で活躍しており,東京都指定史跡や土木学会選奨土木遺産に指定されている。1961年頃の下水道普及率は,わずか10%程度であったが,1975年頃には50%を突破,下水道の整備促進とともに河川の水質は大幅に改善されていった。かつては悪臭漂う「死の川」であった隅田川に,再び生命の息吹が取り戻され,1978年には隅田川支流の神田川にアユの遡上も確認され,隅田川花火大会,早慶レガッタも16年ぶりに復活した。 |